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ブログ
2021.07.29
こんにちは
姫路スマイルデンタルオフィスの院長松島です。
今日はマウスピース矯正|インビザラインについて解説していこうと思います。
先日こんな記事を書きました。
『マウスピース矯正の利点欠点について』という内容のお話しです。
そこで軽く触れたのですが、マウスピース矯正といってもいろんな種類のマウスピース矯正があって、どれを使用するかによって、全然違います。
当院で扱っているのはインビザラインというマウスピース矯正の1つのみなのですが、今日はそのインビザラインがどのようなものなのかというのを、詳細に伝えしたいなと思っています。
ちょっとマニアックな内容ですが、お付き合いいただけたら嬉しいです。
インビザラインというのはマウスピース矯正の1つの種類なんですが、
実はそれだけの説明では収まらない、すごい特徴というのがいくつかあります。
以下にそれを列挙してみます。
1.世界最大規模の歯科企業が開発している治療法
2.世界規模のテクノロジーメーカー
3.デジタルを取り入れるため進歩がものすごく早い。
4.人間にはできない0.1㎜単位の歯列矯正も可能
もっとたくさんありますが重要な点に絞って解説します。
まずこのインビザラインというマウスピース矯正は Align Technologyという企業が開発している治療です。
歯科の企業というと、大きなメーカーはインプラント企業くらいしかなく、そんなに大きな企業はなかったのですが、そんな歯科業界において今ものすごい勢いがあるのがこのAlign Technologyで、その企業がインビザラインというマウスピース矯正を開発しています。
この企業は数年前からマウスピース矯正の治療法を確立し、急成長を遂げ、その結果今では世界最大規模の歯科企業にまで成長しました。
世界各国で多くの症例があり、その治療実績を使ってデータの分析が行われ、その膨大なデータを元に開発が進んでします。
こうした非常に大きな規模の企業が莫大な開発費をかけて開発するからこそ、このインビザラインは、今までのマウスピース矯正では成し遂げられなかったことを次々と成し遂げることができています。
従来通りの矯正治療というのはまず患者さんの模型を手作業できれいな歯列に並べ変えていきます(セットアップモデルといいます)。
そしてそれを目標にして歯科医師の手作業によるワイヤーの調整によって歯を動かしています。
職人ともいえる歯科医師の細かい手技によって、歯列矯正を行っているという状況です。
その結果、細かい調整を調整の来院時に行うことができるので、非常に融通の利きやすい治療ではあるんですが、職人技とも言える技術が必要になる分、術者によって治療の成否が大きいという欠点もあります。
そんな中、このインビザラインという治療法はちょっと違う側面を持っています。
患者さんのお口の環境を3Dでスキャンして、そのデータをもとにデータ上で動きをBefore Afterをパソコン上でシュミレーションして行います。
今までの手作業では失われてしまっていた情報も、この方法であれば残したまコンマ数mm単位の移動も可能です。
つまり、今まで長きにわたって手作業で行ってきた内容をデジタル上で行い始めたというのがこのインビザラインの特殊な点です。
もちろんデジタルデータを使ったとしても診断は歯科医師の経験や、患者さんの理想を加えて、人の手で修正していくのですが、レントゲンやCTをパソコン上に読み込むことで、骨の厚みや歯肉の最終形態をもとに診断に使うことができるので、非常に再現性が高く、さらに精度の高い矯正治療が可能になっています。
スタートした当初はもちろん、人間の歯の生理的な動きとは違った動きをシュミレーションしたりしていて、使い物にならない部分もあったと思いますし、人の手による矯正のほうが確実なケースというものも多かったのですが、時間の経過とともに、世界各国で症例数が集まり、AIが解析できるデータが集まり始めてからのインビザラインの進歩はものすごいものになりました。
インビザラインというと、けっこう矯正をされている先生の中でも意見が分かれます。
『良い方法だけど、ちゃんとした治療をするならワイヤーのほうが良い。』
こういう先生も多くいらっしゃいますし、私もマウスピース矯正がワイヤーより全てに関して良い治療だとは思いまっせん。
治療法には、利点があれば欠点があるので、一概にワイヤーとマウスピース矯正を比較することはできませんし、どちらも選択肢に入れるというのが賢い選択だと思います。
ただ1つ言えるのは、インビザラインに関する情報に関しては、その情報がいつのものかによって信頼性が大きく変わってくるということです。
矯正に限らず、今までの歯科治療というのは良くも悪くもほとんど変わってきませんでした。
20年前と比べてもおそらく治療法の基本的な部分は変わっていません。
大きな変化で言えばインプラントという治療法が確立したのと、かぶせ物の材質に金属ではなくセラミックを使用することができるようになったくらいでしょうか。
そのため古い歯科医院でも最新の歯科医院でも、実はほとんど治療内容は変わりません。
しかし、インビザラインは違います。
インビザラインというのは治療におけるテクノロジーの比重が高いので、
今年と来年とで全く治療の精度が違ってくる可能性さえあります。
・読み取る機械の精度の向上
・操作するソフトの精度向上
・歯を動かすマウスピースの材質の物性向上
この辺りが新しくなることで、飛躍的に精度が上がったり、適応が広がったりします。
現に数年前まではインビザラインでは治せないという風に言われていた症例が
技術の進化や先生方の手技の確立によってどんどん治せるようになっていたりもします。
もちろん人間の生態を扱う以上、解剖学的な限界はありますが、今後において治療がより進歩していく分野はワイヤー矯正かインビザラインか?と聞かれると、その答えは間違いなくインビザラインだということを答えられると思います。
※ただしもちろんインビザラインとワイヤー矯正は対立するものではなく
どちらもできて、その上で選択をするというのが歯科医師として正しい在り方かと思いますので、
そのあたりは誤解ないようお伝えしたいなと思います。
そんな今までの矯正の概念を覆すインビザラインですが、
もう1つ優れたポイントが
『人間にはできない歯のコントロールができること』
かなと思っています。
ワイヤー矯正でももちろん細かい動きを意図して、ワイヤーを操作することができますが、
それはある種職人技で、かなり熟練の矯正医にしかできないようなテクニックです。
ただそんな熟練の矯正医にとっても、動かせる歯の移動量は漠然としたものでしかありませんでした。
それに対してインビザラインでは歯を1本単位で、0.1㎜の精度で動かしていくことができます。
もちろん確実にその通りに動くと言い切ることはできませんが、ワイヤー矯正よりもその精度は高いと言えると思います。
これは純粋に歯列矯正だけの場面でも効果を発揮しますが、
歯列矯正とインプラント等の補綴物が同時に必要なシーンにおいてもっと大きな効果を発揮します。
この歯をここにこれくらいの時間をかけて動かそう。
そういった治療計画を具体的に立てられて、その精度が高いことから、今後ますます、この治療法が普及していくであろうと考えられます。
ということで、非常にマニアックなことについて、詳しくお話しいたしましたが、いかがだったでしょうか?
インビザライン=マウスピース矯正というだけのイメージでは見えにくい部分もあるので、今回はインビザラインの背景的な部分についてお話しし、魅力をお伝えいたしました。
患者さんの視点からすると、歯を目立たずに動かせればいいかもしれませんが、そういうところまで知っていただけると、より深い理解で矯正治療を選んでいただけるかなと思いますので、この情報が参考になれば嬉しいです。
また今回はインビザラインの魅力についてお話してきましたが、
当然治療法に関しては利点があれば欠点もありますので、今後インビザラインの苦手な分野や欠点についてもお話していこうと思いますので、その記事もまた読んでいただけたら嬉しいです。
では今日はこれで終わります。
健やかにお過ごしください。
姫路スマイルデンタルオフィス松島弘晃でした。
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