2021.08.21

抜かずに歯並びを治せるのか?

こんにちは 姫路スマイルデンタルオフィス院長の松島です。

マウスピース矯正(インビザライン)オフィシャルコンテンツはこちらをどうぞ。
今日はというテーマで お話ししていこうと思います。

抜かずに歯並びを治せるのか?

患者さんに矯正の治療の説明をしていると、歯を抜かずに矯正をしたいというご要望が結構多いんですよね。

やっぱり今の時代、歯の1本1本の重要性というものを重視される人が増えたらか、以前までは矯正となると歯を抜くのが当たり前みたいなところから、かなり変わってきていると思います。

なので、今日はその歯を抜かない矯正についてお話していこうと思いますので、興味ある方はぜひ最後までご覧ください。

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このブログでは当院のクリニックの患者さんに向けた情報と、矯正治療や歯科についてのプチ情報を発信しています。今通われている歯医者では聞けないようなお話をしていきますので、興味ある方は是非その他の内容もご覧ください。

マウスピース矯正なら抜歯をせずに治療が可能になるかもしれない

ではまず結論です。口元の出た感じを解消したい場合や、大きな歯列の乱れがある場合には抜歯矯正の方が向いているケースもあるけど、マウスピースでは抜歯をせずに歯を動かす治療も得意です。

もしも極力歯を抜きたくないなという人は一度マウスピース矯正の診査するのがおススメ。
そういう風に思います。
ではそれについて解説していきます。


はい、ではやって行きましょう!

普段僕たちのクリニックに矯正治療の相談を受けられる方の中で、当院が初めての矯正相談だという人は結構多いです。

皆さん聞いてみると、やっぱりワイヤー矯正は嫌だけど、マウスピース矯正ならいいなという感じでうちのクリニックを受診されているみたいでした。で、当クリニックでは矯正治療は、全てマウスピースで行うんですが、もうひとつこだわっているのは、極力歯を抜かずに矯正しよう、抜くとしても最小限にしようということなんですよね。

で、本当に歯を抜かずに矯正できるのか?抜かずに矯正した場合どのようなことが起こるか?ということについてお話しできたらと思います。

今回お話ししたいのは、大きく分けて2つのことです。

1.マウスピース矯正は非抜歯矯正が得意
2.抜歯は必要な時には行ったほうが良い

この2つなのですが、それぞれについて解説していく前に『そもそもなぜ歯を抜くのか?』という部分についてお話ししましょう。

そもそもなぜ歯を抜くのか?

矯正治療では一般的に糸切り歯の横の小臼歯という歯を抜いて治療を行うことが多いです。歯医者というのは歯をちゃんと残すためにある仕事のはずなんですが、矯正ではいとも簡単に健康な歯を抜いてしまいます。

患者さんからすると、そんなのおかしいでしょ?と思われるかもしれませんが、さすがに歯医者も抜くメリットが抜くデメリットよりも大きいから抜歯を判断するんですよね。

ですので当然抜歯をするメリットがあるんですが、それは大きく2つに分けられます。

まず1つ目はスペース確保のため

矯正されるのは皆さん歯並びが気になっている方ですよね。歯並びが悪い人というのは、元々の顎の大きさに比べて、歯の大きさが相対的に大きいために歯が並びきらないために歯列が乱れているわけです。もちろんすきっぱのような問題を抱えている人はそうではありませんが、日本人の場合はどちらかというと、スペース不足が多いです。

で、スペースを解消するには方法というのは
・歯列を横や縦に広げる
・歯を0.1㎜単位で削って小さくしてスペースを作る
・奥歯を後ろにずらす
・歯の数を少なくする

この4種類なんですが、抜歯というのはその方法の1つなんですよね。そして、この抜歯というのが最も大きなスペースを、比較的簡単に作れるので良く矯正には用いられています。

当然抜歯をしなくてもスペースを確保できるなら抜歯を行わない“非抜歯矯正”というものを選択します。ただしそれだけではやはり難しいという時には抜歯をしてでもスペースの確保を行います。これが矯正治療に抜歯を行う理由の1つ目です。

抜歯する2つ目の理由~後戻りの防止~

そして、それに少し関連するんですが、2つ目の理由に後戻りを防ぐためというのもあります。

ワイヤー矯正・マウスピース矯正かかわらず矯正治療で歯を動かすと、必ず歯は元あった位置に戻ろうとします。これを『後戻り』というんですが、本来歯を抜いて行うべき症例を無理に非抜歯で行うとこの後戻りがすごく起こりやすくなるんですよね。

というのも先ほど乱れた歯列を治すための方法というので4種類動きを説明しましたが、今までの非抜歯矯正では、全体的に歯列を大きく広げてスペースを確保するようにして、歯を並べるようにするケースが多かったんですが、無理に歯列を広げると、後戻りが生じやすいです。

歯というのは骨とくっついて位置が変わらないように見えますが、実は少しずつ動いています。その中で舌の圧力とほっぺたの圧力のちょうど均衡する位置に歯というのは並びます。なので、非抜歯矯正で無理に頬っぺた側に歯を位置づけてしまうと、ほっぺたとか唇の圧力に負けて内側に戻ってきてしまって、再度歯列が狭くなり乱れた歯列に戻ってしまいやすいです。

もちろんそのために保定というのを行って、歯が矯正後の位置をキープするようにするんですが、無理をして矯正したケースでそれをしても、長い時間をかけて崩れやすい状況が続いてしまいやすいので、注意が必要です。

以上が抜歯をしてまで矯正を行う理由でした。かなり前置きが長くなりましたが、こうやって見ると、矯正するなら抜歯したほうが良さそうだなと思われると思います。でもやっぱり歯は抜きたくないという人もいると思うんですよね。なのでそういう方に向けてお話しします。

まだあきらめないで。

☆マウスピース矯正は歯を抜かない矯正が得意

ここからは本題のマウスピース矯正が非抜歯矯正が得意という話をします。

先ほど歯のスぺースをつくる4つの動きについてお話ししましたが、実はマウスピース矯正というのは最後の一つ、奥歯を後ろに動かしていくという動きが得意な治療法なんですよね。そして、その動きというのは今までのワイヤー矯正がどっちかというと苦手だった動かし方です。

矯正治療というのはワイヤーにせよマウスピースにせよ基本的に綱引きの治療です。どういうことかというと、歯を動かそうとすると、どこかの歯には反作用がかかります。そのため出っ張っている前歯を後ろに引こうと思うと奥歯は前に引っ張られて、スペースがなくなる。そのために今までは渋々間の歯を抜いて行っていたんですよね。

なので原則的に歯列全体を後ろに送っていく治療というのはなかなか難しかったんですが、マウスピース矯正では、奥歯1本1本を少しずつ後ろに動かしていくことができるので、奥歯のさらに奥に骨さえあれば、ある程度奥歯を後ろに送ってやることができるようになりました。これができれば、歯列をある程度後ろに広げてやることができるので、その結果、歯を抜かなくてもスペースを確保して矯正を行うことができる可能性が高くなりました。

これは結構画期的ですよね。非抜歯矯正のデメリットをある程度減らしてやることができて、その結果選択肢が増えるわけです。

なので僕たちのクリニックでは極力こういった方法を活用することで、抜歯をせずに患者さんの希望を達成できないかというのを模索していますし、それによって予想よりも少ない抜歯本数で行える症例も増えてきているなという印象です。

ワイヤー矯正だと当然のように抜歯だねと言われていた歯を、抜かずに矯正できるかもしれないというと結構患者さんは驚かれますし、場合によっては疑われたりもしますが、こういった背景があって、マウスピース矯正では歯を抜かずに矯正できるんですよね。

ただ中には本当に純粋に歯を後ろに下げずに、歯列を広げたり前に出すだけで非抜歯治療を勧めようとする歯科医院もあったりはするので、そのあたりはよく確認していただけたらと思います。

☆抜歯矯正が必要な場面

ここまで聞くと、じゃあそんなにマウスピース矯正良いのなら、抜歯なしでほとんど矯正できるんじゃないか?と思われる人もいるかもしれないんですが、もちろんそんなことはありません。

やっぱり僕たちも当然抜歯をしない治療計画を目指していくんですが、やっぱり抜歯が必要だなというケースもあります。というのも先ほどお話しした通り、非抜歯矯正には限界もあります。

歯を抜くと大体10㎜程度のスペースが確保できるのに比べて、非抜歯で歯を後ろに動かすことのできる量というのは多くても3mm程度なんですよね。たった3mmといえど、それだけ後ろに動かせれば歯列を広げたり歯を少し小さくディスキングというものをしてやれればかなり非抜歯でも対応できる場合も結構増えます。ただそれだけだとどうしても目標を達成できないという場合は、妥協的な仕上がりを目指すか、抜歯をしてでも理想的なゴールに向けて治療していくかの判断が必要になります。

当然歯科的な理想をめざすというゴールは治療を長く成功に導く上で重要ですので、その必要性というのを僕たちもお伝えしますが、そのために抜歯をすることを許容できるのか、時間が長くかかっても良いのか、そういった部分を含めて患者さん1人1人でゴールは変わってくるので、お話しした上でその部分まで含めて決めていきたいなと思っています。

結果的にやはりご自身が抜歯をして治療したほうが良いのか、せずにしていった方が良いのか検査をして色々な可能性を考えていかないと分かりませんが、歯科医師がこういった考え方をして抜歯・非抜歯含めて矯正治療の計画をしているというのが少しでも参考になればうれしいです。

少し込み入ったややこしい話をしましたが、このブログではこういった歯科医師の豆知識を紹介していきます。今日の記事が良かった。役に立ったという方はぜひ周囲の方への共有や今後も見てください。よろしくお願いいたします。

今日はこれで終わりです。
健やかにお過ごしください。
姫路スマイルデンタルオフィスでした。

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