2022.02.23

マウスピース矯正と歯ぎしり・くいしばりについて

こんにちは姫路スマイルデンタルオフィスの院長松島です。

本日は以下のテーマについてお話します。

マウスピースピース矯正と食いしばりについて

この今回のお話しは矯正される人の中でも、寝ている間に出る症状である
『歯ぎしり』や『くいしばり』がある方や
矯正をすることでそういった症状が出る方に向けた内容の記事になっています

目次

  1. 『歯ぎしり』や『くいしばり』とは?
  2. マウスピース矯正中にくいしばりがあるとどうなる?
  3. 対処法

1.『歯ぎしり』『くいしばり』とは?

まず『歯ぎしり』や『くいしばり』とは何か見ていきましょう。

歯ぎしりやくいしばりというのは寝ている時に出ることの多い無意識下での習癖です。

その中で

歯と歯をすり合わせて、歯がすれて大きな音がするのが『歯ぎしり』

歯と歯を合わせて、ぐっと顎の筋肉に力がかかるのが『くいしばり』です。

多くの場合どちらかの症状を自覚されている方は どちらも出ていることが多いですが、はぎしりは音が出るので一緒に住んでいる人に気づいてもらいやすいですが、くいしばりの場合には音があまりしない分気付かれにくいかもしれません。

朝起きて顎の筋肉の疲れがあったり重たい感じがする場合には、『歯ぎしり』もしくは『くいしばり』が生じている可能性があります。

2.矯正中に歯ぎしり・くいしばりが起きるとどうなるか?

では歯ぎしり や くいしばりがあるとマウスピース矯正においてどうなるでしょうか?

代表的なものは以下のような内容です。

・奥歯が圧下されて、かみ合わせが悪くなる
・奥歯に強い力が加わり噛むと痛い時がある
・マウスピースによって歯ぎしり・くいしばりが悪化することがある。

最も心配な内容は1つ目のかみ合わせの悪化です。

マウスピース矯正をすると、マウスピースの厚み分前歯よりも奥歯が先に当たるようになってしまうので、その状態でくいしばりを行うと、ものすごい大きな力が奥歯にかかります。

その力は非常に強いので、奥歯が少し骨の中に押し込まれて奥歯のかみ合わせが弱くなり、それが続くと、奥歯が噛めない『臼歯部の開咬』という状況になります。

こうなると一旦マウスピースを中断して沈み込んだ奥歯を挺出させる処置が必要になることがあるので、注意が必要です。

そのため奥歯がもともと沈み込んでいて、かみ合わせをもっと浅くしたいようなこういう嚙み合わせの人でくいしばりが強い人にはマウスピース矯正はやや苦手な治療といえるかもしれません。
※逆に奥歯を引っ込めたい『前歯の開咬』の人にはくいしばりが治療の助けになってくれることもあります。

また歯ぎしりやくいしばりによって嚙み合わせの力が強くかかると歯の神経が過敏になり噛むと痛くなったり、冷たいものがしみやすいという症状が出たり、筋肉が活性化して夜間のくいしばりをさらに引き起こしたりするという問題も引き起こされやすいです。

3.歯ぎしりくいしばりの対処法

ここまで歯ぎしり くいしばりについてお話していきましたが、ではどうしたらいいのか、対処法に関してお話します。

歯ぎしりやくいしばりを防止するといっても寝ている間に起きることなので、
『寝ている時にくいしばらないよう』にという忠告は無意味になります。

なので方法として考えられるのは以下の3つくらいになると思います。

・起きている間になるべくくいしばらないようにする
・くいしばっても過剰な力がかからないようにマウスピースの調整をする
・ボトックス注射で咬筋の働きを弱める

それぞれについて説明します。

1.予防法:日中のTCHを改善する

夜間のくいしばりが起きやすい環境としては、『TCH 』という習癖が関係しています。

これはTooth Contacting Habitの略で、日中に常に上下の歯が当たっていたり食いしばってしまっている癖のことです。

こうやっていうと

『え、歯と歯は普通当たっているものでしょ?』と思われるかも知れませんが、実はそうではありません。

歯というのは安静空隙と言って、楽にしている時には上下の歯が2mm程度離れているのが理想的な条件となります。

日中に歯と歯が接している時間が長いと、口を閉じる筋肉の咬筋や側頭筋という筋肉が過剰に活動して、その影響で夜間に無意識化でくいしばりをしやすくなります。

なので極力こういう症状が起こらないように、可能な限り歯と歯をあてないようにする。顎の筋肉に緊張をあまり与えないというのが重要になります。

2.対処療法:マウスピースの咬合調整

続いては くいしばりを防げないまでもくいしばりが出た時の問題を最小限にするための内容です。

先ほどマウスピースを付けると厚みの分奥歯にが過剰に力がかかって押し込まれてしまうといいましたが、マウスピースの奥の方をを少し削ってあたりを弱めてやることができれば、奥歯にかかる力を軽減してやることができ、奥歯が沈み込んでしまうのを防ぐことができます。

これだけでもだいぶ変化が生じます。

3.奥の手:咬筋のボトックス注射

ボトックス注射というものをくいしばりに関与の大きい咬筋に使用して、くいしばりが起きにくくする方法です。

これは歯科の内容とはまた違ってくるのですが、異常なくいしばりには一定の効果があると言われています。

様々な方法を試しても改善しない患者さんにはこちらが有効かと思います。

妊娠中や妊娠を望まれている患者さんには使用する事ができないという欠点がありますので、その辺りはご注意が必要ですが、どうしてもくいしばりが噛み合わせに悪影響を与える場合はそういった方法をお試しいただけたらと思います。

僕自身もくいしばりが強くあるので一度試してみようと思っているので、実際に行ったら詳細について記事にしてみようと思います。

まとめ

このようにマウスピース矯正において様々な注意点のあるくいしばりですが、適切な対処を行いながら行っていけば対処していけると思います。もしもこのような悩みがある場合には一人で悩まず気軽に歯科医師に相談してみてください。

この記事が少しでもお悩みの解消に参考になれば幸いです

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