2021.11.27

上の前歯だけ矯正したいという方へ

こんにちは姫路スマイルデンタルオフィスの院長松島です。

マウスピース矯正（インビザライン）オフィシャルコンテンツはこちらをどうぞ。

今日は以下のテーマでお話します。

上の前歯だけ矯正したいという患者様へ

当クリニックはマウスピースによる矯正治療を中心に行っているクリニックなんですが、様々な歯並びの悩みを抱えた患者様が来られます。

その中でけっこう多いのが

『上の前歯だけ矯正したい』

こういう相談です。

なので今日はそれについてお話していこうと思います。

【目次】

• 上の前歯だけ矯正できるケースは限られている
• 矯正が上下で行った方が良い理由
• 実は下の前歯のせいで上の前歯が乱れているかも
• 乱れはどんどん大きくなる

以上のような流れで進めていきます。

・上の前歯だけ矯正できるケースは限られている

まず結論から言いますと、上の前歯だけ矯正したいという相談を受ける時に、それに対して上の前歯だけ矯正できる場面というのはかなり限られてますし、ほとんどの場合オススメできません。

ある例外を除いてはほとんどの場合、矯正というのは上下の歯列に対して行います。

それはどんな状態かというと、1つが子供の時期に受け口になってしまっているケース。

顎の成長の不正を招くのでまず上の前歯だけ矯正していく最もメジャーなケースです。

続いてが矯正後の後戻り。

本当に軽度の乱れで、特に上の前歯だけ乱れてきたという時は上の前歯だけの矯正で対応が可能かと思います。

もしくは上の歯をかぶせ物で治す時に下の歯の前歯だけを矯正で治すということもあったりはしますが、純粋に歯列の乱れが気になって矯正したいという人においては、ほとんどの場面で上下一緒に矯正をする必要があります。

・上下一緒に矯正した方が良い理由

ではなぜ上下一緒に矯正した方が良いかというと、ここにも3つ大きな理由があります。

1つ目が『上下を一緒に矯正しないと噛めなくなる可能性があるから』

2つ目が『上だけやっても上下でやっても金額があまり変わらないから』

3つ目が『下の歯の乱れが上の前歯の乱れを作っているかもしれないから』

〇まず1つ目は分かりやすいですよね。

歯というのは上下が対になって働いて機能しています。

そんな中、上だけをきれいにしようと思って前歯を移動させるすると、状態によっては全然噛めなくなったり、内側に入れようとしすぎると受け口になったりしてしまいます。

見た目を追う結果機能が悪くなる可能性があるので、やはり上下の治療が必須といえます。

2つ目に関してですが、金額的な問題

基本的に矯正というのはクリニックによって料金体系が変わってきますが、ほとんどのクリニックで使用しているインビザラインというマウスピース矯正の最もメジャーなシステムでは、方法が比較的限定されています。

・8本の大臼歯を除く上下20本の歯を動かしていく部分矯正のインビザラインGO

・全体を動かしていくインビザライン

これらは基本的には上だけだから安いというようなプランというのはあまり用意されていません。
部分矯正なら上下の治療でいくら、全体矯正ならいくらという感じで分かれています。

そのため費用を抑えるために上の前歯だけという感じで行おうとしても上下分の費用がかかるので、むしろ費用的には損をしてしまうということです。

もちろん上下どちらかだけのプランを用意されているクリニックもあると思いますが、かなり適応範囲が狭いので、ほとんど使われない見せかけのプランになっていることが多いと思います。

・上の歯の乱れは下の歯の乱れが原因かもしれない

で、３つ目の理由で最も重要なのが、ほとんどの場合、『下の歯が理由で上の前歯が乱れているから』というのがあります。

これは何かというと写真で見てもらいましょう。

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これは別々の患者さんの上下の前歯の嚙み合わせですが、基本的に上下の歯というのは緊密に当たっています。そのため上に問題があれば下の歯に問題が出るし、下の歯に問題があれば上の歯に問題が出ていきます。

そして下の前歯というのは比較的ねじれたりしやすく、さらに年々そのずれが大きくなっていきやすい部位です。

そうすると、下の前歯がどんどんねじれて、乱れてきたらその結果、下の歯に押されて上の前歯がねじれたり出っ歯になったりします。

なので下の問題を解消しないと上の前歯の問題が解消できないですし、もしも下の問題を残したまま上をきれいにしても確実に後戻りしたり、強い噛み合わせで歯が欠けたり折れたりというトラブルが生じます。

なので、下の歯は見えないし良いよと思ったとしても、もしも下の歯に問題が少しでもあるようであれば、確実に歯列の乱れを修正していたほうが良いと思います。

・歯列の乱れはどんどん大きくなる

ここに関しては先ほどの内容の補足なのですが、歯の乱れというのは年々悪化していきます。

その理由というのは歯が前に前に出ようとしているからです。

この患者さんは一見下の前歯はそんなに問題ないように思われるかもしれませんが、左右の側切歯という歯が少しだけねじれています。

歯というのは奥歯から前にわずかずつ出ようとしてるのですが、こうして軽度にでも乱れていると将来的にこのずれは大きくなり、数十年かけて歯の重なりが大きくなっていきます。

そうすると先ほどの説明通り、乱れた下の歯が上の前歯を突き上げて、上の前歯まで乱れてきます。

上の前の乱れに気づいた時には、その原因の下の前歯の乱れは非常に大きくなっているでしょうから矯正治療もかなり長い期間が必要になります。

ぜひ早いうちにそれに気づいて止めてあげましょう。

逆に言えば、この今の軽度な乱れのうちであれば、3カ月程度できれいになります。

ぜひ早期に乱れを治して、今後確実に起きる歯の乱れを予防しておくことをオススメします。

今気にならなくてもこの下の前歯の乱れの解消はすごく重要になりますので、確実に押さえておいてください。

ということで上だけの矯正で良いのか？という部分でお話してきました。

長くなりましたが、正しい情報をもって矯正治療を検討してもらえたらと思いますので、この情報が参考になれば嬉しいです。

今日はこれで終わります。

健やかにお過ごしください。

姫路スマイルデンタルオフィスでした。

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